所長挨拶-元山税理士事務所
所長挨拶
規模の大小にかかわらず、相談しやすいコミュニケーションづくりを大切にしています。そのやりとりの中から企業にとって有益な情報の提供を行うよう努めます。
その中でも日常的に必要なのは財務情報です。事業の意思決定には財務情報を把握することなしに行うことは出来ません。その情報の迅速で正確な提供を心がけています。
また、事業の成長の過程において財務部門のひとり立ちも不可欠です。そのためにわれわれは強力にサポートします。
所長プロフィール
名前 | 元山 博(もとやま ひろし) |
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出身 | 福岡市 |
生年 月日 | S32年10月18日 |
資格 | 税理士(平成元年 税理士登録) |
得意 分野 | AFP 節税相談、相続相談、他士業及び金融機関とも連携し、迅速な対応と解決を モットーにしています。 |
趣味 | オートバイ ヨット(ただし体育会系) |
士業のワンストップサービス
事業を行っているとあらゆる問題が発生します。人事、労務、資金繰り、契約、不動産売買、相続等。われわれの専門は税務会計ですが、スタッフはあらゆる相談事案もお伺いし、専門外であればお客様に代わって専門家へ問い合わせたり、ケースに応じて適切な専門家の紹介も行います。それがお客様の時間と労力、さらに経費節約にもつながると確信しています。
過去の挨拶文一覧
- 令和1年夏
令和1年7月16日
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ
清原 深養父
作者はきよはらのやぶと呼ぶそうで、あの清少納言のひいおじいちゃんにあたる人物だそうです。ひ孫にあたる清少納言も「枕草子」の初段で、「夏は夜。月の頃はさらなり」(夏は夜がグー。月の頃なんかチョーサイコーよ)と述べていることは有名ですね。そもそも「宵の口」とか「宵のうち」とかで使う「宵」とはいつのことかというと、日が暮れて間もないころだと辞書にあります。
しかしながら、今年の3月29日に気象庁は天気予報などにつかう気象用語から、「宵のうち」を今後は使用しないと発表しました。現代は頻繁にテレビやネットで登場する天気予報において、時間のあいまいな表現はわかりにくいからでしょう。しかし、「宵の口」「夜半」「未明」等はまだ残るらしいので少し安心です。それでも若い人にいわせると何時と書けばいいのにさぁ、わかりにくいんだよ、何事もシンプルに、わかりやすく。そこで閑話休題。
消費税の10%の増税の実施が近づき、さらに参院選挙も絡まって、増税反対に加えて、複数税率の難解さが話題となり、食品とは?テイクアウトか店内飲食に該当か?などがテレビでクイズ番組にも登場するまでになりました。
簡素、公平、中立というのが租税の原則であるべきですが、この複数税率というのは間接税を税率で公平性を求めようというところに無理があって、簡素というわかりやすいしくみ作りを犠牲にしているところが問題なのであります。しかも複数税率自体が公平かどうかの議論も結論が出ていません。税制での公平性は税制全体で調整することの方が理解しやすいはずで、消費税の特徴である薄く広くという基本的な課税ベースを維持するだけで、税収も確保されるし、複数税率による税収減の代替財源や税金を徴収するための国全体のコスト増を考えなくて済むのです。選挙のための税制論議はやめてほしいし、国民もそのあたりを見極めて選挙にのぞみたいものです。
- 平成31年春
平成31年3月18日
いにしへの 奈良の都の 八重桜 今日九重に 匂ひぬるかな
伊勢 大輔
旧都である奈良で咲いていた桜が、今日はこの宮中でなんとも美しく咲き誇っていることだなあ。
伊勢大輔は平安時代中期の女流歌人、代々神官の家系で、輔とは日本の階級制度である律令制の中では、上から2番目の階級が「スケ」と呼ばれていたことに由来するそうです。現代では大輔(ダイスケ)や俊輔(シュンスケ)など、男子の名前として使われていますね。上東門院彰子に仕え、紫式部、和泉式部らとの親交を結び、父、祖父、曾祖父にも優れた歌人がおり、多くの歌合に出詠、歌人としての活動期は長かったといわれています。歌集に「伊勢大輔集」があります。
この歌は「いにしへ」と「今日」、「奈良」と「今日/京」、「八重」と「九重」の対照を歌の中に織り込んである、円熟味を感じさせる歌として評価されています。
消費税の10%の増税が今年の10月より実施される見込みです。増税そのものは今日の日本の財政状態を考えるにやむを得ないことだと思いますが、今回の問題は、軽減税率を導入することにあります。酒・外食を除く飲食料品と週2回以上発行する新聞(定期購読契約に基づくもの)にのみ8%の税率を認める軽減税率制度について、高所得者ほど負担減の恩恵を多く受けることが、衆院の財務金融委員会に提出された財務省の試算で分かりました。これまでも民間の試算でも導き出されていましたが、政府での試算でも同様の結果となると、公明党が低所得者対策の柱となると言って譲らなかった16年の税制改正は何だったのかと思います。2%増税するものとしないものとに区分することの煩雑さ、複雑さ、増税するにもかかわらず徴税コストの増加による実質税収の減少、複数税率のための民間費用の増加など、制度設計のお粗末さは導入する前から分かっているのに踏み切ることは、政治の将来に対する無責任ではないかとも思ってしまいます。
- 平成30年秋
平成30年10月4日
月見れば 千々にものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
大江 千里
月を見ていると、なんだかいろいろと哀しさがこみ上げてくる。私一人のためにきた秋ではないのだけれど
この歌の作者はミュージシャンの大江千里・・・ではありません、おおえのちさとと呼ぶそうで、在原行平、在原業平兄弟の甥っ子にあたる人物だそうです。この作者は「古今和歌集」に載っている「照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の おぼろ月夜に しくものぞなき(照るでもなく、かといって曇るのでもない、春の朧月夜に勝るものはない)」の歌も有名です。このいずれの歌も月を詠んだものとしては傑作だと言われています。
近年政府は労働力人口が想定以上に減少していることへの対策として、1.働き手を増やす(労働市場に参加していない女性や高齢者)、2.出生率の上昇、3.労働生産性の向上、について国を挙げて取り組むこととし、このことがいわゆる働き方改革、別名一億総活躍社会といわれるものの概要であります。そして、これらを実現するためには3つの課題があるとされます。長時間労働の解消、非正規と正社員の格差の是正、労働人口不足の改善(高齢者の就業促進)です。
1. 長時間労働の改善施策 法改正による時間外労働の上限規制、1か月100時間、2-6か月平均80時間、
2. 非正規と正社員の格差是正 同一労働同一賃金への取り組み
3. 高齢者の就業促進 今の日本では、高齢者の六割が65歳を超えても働きたいと考えていることが、国の調査で判明しているそうです。しかし、実際に働いている人は2割ほどにとどまります。そこで、65歳以降の継続雇用延長や65歳までの定年延長を行う企業等に対する助成金などの支援を行います。
これらのことは外部環境の整備ということになるでしょうが、合わせて企業内部においても生産性の向上に向けての作業の見直しなど改革が必要になります。今までと同じように働いて、労働時間の削減と有給休暇の利用促進が出来ればそれに越したことはないのでしょうが、それでは企業が行き詰ってしまうでしょう。日本人は生産性が低いといわれると(OECD加盟34カ国中21位)、あまりいい気分ではありませんが、個人として考えるべきことは、ただ仕事を効率的に早く終えることだけではなく、その短縮した時間で新たな付加価値のある商品やサービスを作り出すこと、これが出来ないと生産性が向上したことにはならないのです。一人ひとりがそれに取り組み、その成果物を作り出すことが出来たら、結果として日本全体の生産性向上につながるだろうと思います。
- 平成30年夏
平成30年7月27日
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
大納言公任
この歌の現代訳は必要ないほど現代でも通用する和歌だとも言えましょう。大納言公任とは、関白太政大臣藤原頼忠の子、藤原公任。政治家として一流の家に生まれ、早くから出世コースを歩んだ人物ですが、同い年にあの藤原道長がいたために、途中で出世は止まってしまいます。しかし、文化人としての活躍では彼の右に出るものはいなかったと言われています。政治家としての名声より、文化人としての名声がなほ聞こえけりと言いたかったのかも知れません。
さて、今回は「簿記」の語源について。英語のbookkeepingの翻訳ですが、bookkeepingの語感を活かした「音訳」、つまり当て字という説と、帳簿記録や帳簿記入を略した「意訳」という説があります。音訳、意訳の両方を意識して作られた言葉だとしたら、英語の語感も日本語の意味もどちらも活かした絶妙な翻訳と言えるでしょう。この言葉の生みの親は福沢諭吉と言われています。諭吉はアメリカで出版された「Common School Book-keeping」という本を翻訳し、明治6年「帳合之法(ちょうあいのほう)」を慶應義塾出版局より出版致しました。この本によって日本に複式簿記が伝わり、「借方」「貸方」などの簿記用語も生み出されました。
実学を重んじ、いち早くその重要性に気づいて西洋簿記を紹介した諭吉でしたが、「福翁自伝」で本人は簿記が苦手である旨の記述があり、読書家と商売人の考え方は別物であるようだと愚痴っています。福沢諭吉は現在一万円の高額紙幣の人物ですが、お金の管理に欠かせない「簿記」という言葉を生み出し、その技術を日本に広めた人物が、簿記が苦手であったとは歴史のおもしろさを感じさせられますね。
- 平成30年春
平成30年3月26日
もろともに あはれと思へ 山ざくら 花よりほかに 知る人もなし
大僧正 行尊
私がおまえを見ていとおしく思うように、お前も私をいとおしく思っておくれ、山桜よ。
私にはお前より他に理解してくれる人もいないのだから。
この歌は詞書きによると、大峰山の山中でひとり修行をしているときにであった山桜に感動して詠んだものとされています。作者の行尊は、修道の行者として熊野や大峰の山中で厳しい修行を積む山伏にとって、ふと目の前に現れた山桜がどれほど心を慰めてくれるものであったかが伝わってくるようですね。英文の訳は次の通りです。わかりやすいというか、味気ないというか、如何思いますか。
I think of you as someone very close to me, and I hope you feel same nostalgic way for me. Oh, mountain cherry blossoms, there is no one else in this world who knows me as you do.
ふるさと納税も10年目を迎えました。平成20年分の利用者は全国で約33,000人、寄付総額72億5,900万円だったのが、平成27年分では129万人、1,471億まで拡大しました。拡大とともに納税者のふるさと納税の制度に対する関心も高まっています。さらに依然として、この制度の賛成反対の議論も絶えず、賛成派は地域貢献、寄付金の使い道への関与が可能、返礼品の産地産業支援、反対派は行政サービスを享受する住民税の受益者負担の原則を逸脱、制度利用者の関心が返礼品であることが多く、財源を必要とする自治体への寄付になっていない、ふるさと納税は増収になる自治体ばかりではない等々、また想定外の用途と影響も出てきているようです。
しかしながら、過去にあった小渕内閣時の地域振興券6,000億円、麻生内閣時の定額給付金1.5兆円に比べると、はるかに経済効果が見込めるのではないでしょうか。
- 平成29年冬
平成29年12月14日
心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花
凡河内躬恒
無造作に折ろうとすれば果たして折れるだろうか、
一面に降りた初霜の白さに、いずれが霜か白菊の花か見分けがつかないほどなのに
作者の名は「おおしこうちの みつね」と呼ぶそうです。平安時代前期の人で、歌人としては紀貫之と並ぶほどで、「古今集」の選者のひとりであるほかに、三十六歌仙のひとりにも選ばれています。勅撰和歌集に200首近くが伝えられているらしく、特に叙景歌に優れていたと言われています。
この歌は和歌の作り方を弟子たちに教えているときに、庭に咲いている白菊の花に霜が降りているのを想像して、この和歌をつくって見せたと言われています。その情景が目に浮かんでくるようです。現代の楽曲の作詞も情景が浮かんでくる作品がいいと思うのと一緒ですね。
今年もまた年末の与党の税制大綱が発表となる時期になりました。平成30年税制改正は中小企業の事業承継について相続税、贈与税を期間限定で軽減する旨の規定が盛り込まれる予定です。地域経済を支える中小企業の事業承継問題は深刻で、税制以外でも経営者の高齢化、後継者不在、地域の地盤沈下など、税制だけでは解決できない多くの問題が内在しています。
その他では所得税の所得控除の見直し、所得拡大促進税制の延長、拡大として、賃上げした企業の法人税の減額幅拡大、地球温暖化対策として森林環境税の検討、加熱式たばこの増税があげられています。平成31年の10月1日には二度の延期となった消費税が10%になる予定ですが、増税よりも軽減税率適用の非効率性と運用上の混乱の方が問題ではないでしょうか。
- 平成29年夏
平成29年8月4日
有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし
壬生忠岑
作者の壬生忠岑は、平安時代前期に活躍した歌人だそうです。後鳥羽院が藤原家隆に「古今和歌集」の中で、最も優れた歌は何かと尋ねられたときに、この歌と応えたそうで、作者は三十六歌仙にも入っています。この歌の、つれないのは月、女性、それとも両方のどれでしょうか。
平成30年1月より、配偶者控除が改正されると言われています。これまで配偶者の所得については、「103万円の壁」がありましたが、上限が150万円になるというものです。さらに150万円を超えても収入が上がるに従って低くなり、201万円を超えたところで0円になります。
また「社会保険の壁」といわれる「130万円の壁」もあり、さらに平成27年10月より新たに「106万円の壁」もなるものも出来ました。
①週20時間以上の労働
②年収106万円以上
③勤務期間1年以上
④501人以上の従業員のいる企業
この基準をすべて満たす場合には、社会保険へ加入することになるのです。パートの収入が130万円を超えると、社会保険料を差引くと100万円の収入と手取額がさほど変わりません。年収130万円の手取額を得るためには、160万円程の年収が必要になりますが、そうなれば配偶者控除が少し減額になるなど、要素が多くなり複雑になります。いろいろな方面に配慮してこのような改正になるのでしょうが、計算とは別に、今どき配偶者控除という名称がよろしくないという意見もあり、配偶者も扶養控除にすることからはじめては如何でしょうか。
- 平成29年春
平成29年6月3日
忍ぶれど 色に出にけり わが恋は ものや思うと 人の問うまで
平 兼盛
この歌の訳は不要ですね。作者の平兼盛は平安時代中期の歌人で、三十六歌仙に選ばれる実力の持ち主。兼盛と言えば、壬生忠見との歌合のエピソードが有名。
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思いそめしか
-恋をしているという私の浮き名が、もう世間に広まってしまった。
ひそかに心の内だけで思い始めたばかりなのに-
壬生忠見
歌合の判者である藤原実頼は、甲乙つけがたいこの二つの歌の判定がつけられず、村上天皇に判断を委ねた。すると、天皇が小さな声で「忍れど・・・」と口ずさんだので、兼盛が勝者となった。壬生忠見はそのショックで死んでしまったことになっている。本当に死んだかどうかは別として、現代において二つの歌を見比べてみると、わかりやすさと言葉の流れの良さで、やはり兼盛に軍配が上がりそうですね。
平成27年1月に相続税が改正されて約2年半が経過しましたが、基礎控除が減額されたことで相続税の申告件数が増加したように思います。それとは別ですが、家庭裁判所の遺産分割調停件数は10年で3割の増加、そのうち遺産額が1千万円以下の事案が3割で、5千万円以下まで含めると7割を占めると記事にありました。また別の記事にはサラリ-マン家族ほど相続紛争が多いといった見出しが出ていましたが、はたしてそう言い切れるのでしょうか。
財産の少ない人たちこそ争いが多いとかそのような傾向があるという分析は当てはまりません。なぜなら世の中には財産の少ない人たちが圧倒的に多いわけで、5千万円以下の遺族の7割が揉めているのではありません。
相続は揉めると弁護士さんは言います。しかし、弁護士さんが接するのは、そもそも争いになった相続に限られます。病気の患者にしか接しないドクターと同様に、揉めた相続にしか接しないのが弁護士業なのです。その点税理士は、多くの円満に終わった相続の事例を数多く知っています。これは大変幸せで恵まれた職業であると思わなければなりません。遺産分割調停事件が増加していることは、時代の流れなのでしょうか。
- 平成28年冬
平成28年12月8日
村雨の 露も未だ干ぬ 槇の葉に 霧立ち昇る 秋の夕暮れ
寂蓮法師
寂蓮法師は僧侶の子として生まれましたが、官僚としてそこそこの地位まで出世したものの、30歳過ぎに出家して歌人あるいは書家として活躍したそうです。
語呂も良くて歌に気品があって情景がすぐ目に浮かんでくる感じがしますね。
配偶者控除が議論されています。29年度税制改正の最大の焦点だとも言われていました。現行の配偶者控除は103万円の壁というものがあり、パートで働く主婦の給与収入が103万円を超過すると配偶者控除の適用が受けられなくなり、夫の所得税の負担が増加するばかりではなく、企業によっては扶養手当の受給もなくなり、さらに130万円を超過すると、社会保険の扶養者にもならなくなり、配偶者は単独の社会保険に加入しなければなりません。
安倍政権が取組む女性参画社会の実現には、女性が就業調整を気にせずに働ける環境の実現が必須であり、そのためにはこの障害を取り除かなければなりません。単純に控除をなくせばいいと思えるのですが、過去に何度も議論されながら、結論が先送りにされた悪しき経緯があります。女性参画ということをビジョンとして掲げたならば、専業主婦世帯の負担増につながることはやむを得ないことなのに、国の将来のためにそれを押し切る度胸が政府にはなかなかない。今回も衆議院の解散、総選挙がささやかれると、見直しの機運は急激にしぼんでしまって、結局廃止を見送って一部改正案で乗り切る模様で、過去の悪しき慣習からの脱却は不発に終わりそうです。
- 平成28年夏
平成28年8月8日
瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思う
崇徳院
崇徳院は皇位継承の骨肉の争いである「保元の乱」を起こし敗れて讃岐に島流しとなります。この歌は、皇位継承で骨肉の争いはしたものの、ルーツは同じなので行く行くは一緒になろうではありませんか、と呼びかけているように思えます。
しかし、皮肉にもこの争い後時代は平氏源氏をはじめとする武士の時代になり、二度と皇室が政治を司ることはありませんでした。
さて、今回は簡単な国の財政について考えてみたいと思います。税理士は税理士法において税務行政や租税に関する制度について建議し、または諮問に答申することができる(税理士法第49条の11)ことになっていますが、合わせて国の財政の現状を正しく認識するとともに、その支途についてもチェックしていかなければならないものだと考えています。税理士が地方自治体の外部監査人として選任できるのも、そのような考えに基づくものであるからでしょう。
平成15年度決算分より、財務省主計局において、省別財務書類の計数を基礎として、国全体のフロートストックの情報を開示する「国の財務書類」の作成・公表を行っています。その体系は、
① 会計年度末における資産及び負債の状況を明らかにする「貸借対照表」
② 業務実施に伴い発生した費用を明らかにする「業務費用計算書」
③ 貸借対照表の資産・負債差額の増減の状況を明らかにする「資産・負債差額増減計算書」
④ 財政資金の流れを区分別に明らかにする「区分別収支計算書」
の財務4表及びこれらに関連する事項についての附属明細書となっています。
資産・負債差額計算書の「財源」から「本年度業務費用合計」を差引いた金額は、企業会計における当期純損失に相当するものであり、今年度の業務費用が租税等の財源で賄えているかどうかについてみることができます。しかし、国の財政活動は利益の獲得を目的としていないことから、損益計算は必要ないと考えられています。
平成25年度末の資産・負債差額増減計算書によると、財源が98.3兆円であるのに対し、業務費用は137.9兆円であり、差引△39.5兆円の財源不足であります。財源不足分は公債発行により賄われ、貸借対照表によると平成25年3月末で△476兆円の債務超過になっています。
ただし、国の財産の中には、道路や堤防等の公共用財産については台帳上物量尺度のみが管理され、価格管理されていないものも多数あります。国所有の資産でサービス提供能力および将来の経済的便益が存在する場合には、決算資料に基づき取得価格を推計して貸借対照表に計上しています。このような点がこの作成基準の特徴の一つであると言われています。したがって、この債務超過の金額も一つの目安として考えなければならないでしょう。
- 平成28年春
平成28年4月1日
久方の 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ
紀 友則
今年は全国一早く福岡で満開宣言となりました。百人一首には桜を詠んでいるものが何首かありますが、その中でも一番有名で、人気と出来映えともにナンバーワンといわれているのがこの歌。小野小町の「花の色は 移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに」も、女性を桜にたとえた歌として大変有名で人気も高いのですが、桜の特性をよくとらえていて、日本人の感性に訴えている点ではこの歌が勝っているように思います。
もっと眺めていたいと思う人の心をよそに、しづこころなく散っていく桜。太平洋戦争時にも、「貴様と俺とは同じ航空隊(兵学校)の庭に咲く同期の桜、咲いた花なら散るのは覚悟のうえ、見事散ってみせてやろうじゃないか、国のため」と、飛行機が撃墜されていく様や兵士が命を落としていく姿を、桜が散っていく風景にたとえて歌われたこともよく知られています。桜の散る美しくも切ない光景は、大昔も昔も今も日本人の心を強くつかむものなのですね。
さて、このところ人工知能AIの進歩がめざましく、先般も世界トップレベルの韓国の囲碁のプロ棋士がAIに1勝4敗と負け越しました。チェス、将棋、囲碁の中でもAIが人間に及ばなかった囲碁においても、ついに人間を凌ぐまでに進歩したことになります。
野村総研は10~20年後に国内労働人口の49%に当たる職業について、人工知能やロボットで代替される可能性が高いという推計を昨年末に発表しました。合わせて独立行政法人・労働政策研究・研修機構の「職務構造に関する研究」において分類した601種類の職業について、定量分析データを使って分析した結果のまとめを発表しました。それには人工知能やロボット等による代替可能性が高い100種の職業、可能性が低い100種の職業が記載されてあります。ご心配な方は一度アクセスしてみては如何でしょうか。
2000年代に入って、グローバル化とテクノロジーが経済にもっとも影響を及ぼす、購買力が大きい中間層といわれる世界中の労働者の所得水準を引き下げ、その結果現在の格差社会がもたらされたといわれています。今日の人工知能の進歩は便利な生活をもたらす反面において、さらにこのような格差社会を増幅する可能性も合わせ持っていることも考えておかなければなりません。
- 平成28年冬
平成28年2月22日
淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いくよ寝覚めぬ 須磨の関守
ミナモトノ カネマサ
源 兼昌
この歌で歌われている情景は、季節は冬、夜の浜辺、聞こえてくるのは千鳥の鳴き声、そして場所は須磨。この情景で思い浮かぶのは流謫の貴公子、「源氏物語」の光源氏の姿であるとされています。
都で対立していた右大臣の一派の権勢が強くなったため、自ら都落ちの道を選んで須磨の地へ退去した光源氏が、失意で見たであろう情景を思いながら、作者はこの歌を詠んだとされています。改めて何の説明もいらない名歌ですね。
さて、今回は今話題となっている消費税の軽減税率についての私見です。
軽減税率は何のため、はたして弱者の味方ですか
昨年末に多少の意見のやりとりがなされたものの、結果として総理・官邸主導で消費税の軽減税率の導入の決定がなされました。しかしこれはあくまでも政局の一つとして出された妥協点であって、財政的な面を検討して出された結論ではないことは誰もが知っていることであります。
そもそも何のための増税なのか。それが増大する社会保障費の財源のためであるとするならば、中途半端な軽減税率ほど無駄なものはありません。軽減税率については過去に三党合意がなされようとも、現在の段階でまず2%の増税分の支途について議論を尽くすべきであります。それで充分なのか、どのくらい不足なのか、このプロセスを経て軽減税率という問題に取組むべきです。消費税の基本である中立で薄く広い課税ベースを出来る限り維持すべきです。まずは軽減税率ありき、軽減した分の財源は先送りにされ、選挙後の秋以降に検討するという、これでは軽減税率は政策ではなく選挙対策です。1兆円とも言われる軽減税率による不足分は、生活必需品である以上経済効果は全く期待出来ない上に、持続できる社会保障制度どころか、いずれ回り回って年金給付開始年齢の延長や減額、あるいは医療費の窓口負担の増加となります。そしてさらなる消費税の増税として国民につけが回ってくることを覚悟しなければなりません。
さて、消費税は一般に逆進性の問題が引き合いに出されます。所得税の累進課税と違って、所得の如何に関わらず一定であるので、所得の少ない人の負担が増える。特に食料品は生活必需品であるから、エンゲル係数が高い層ほど負担が大きくなると一般に言われています。
しかしながら、エンゲル係数というのはあくまでも支出に占める食費の割合であって、絶対額では高所得者の方が多くの支出をしています。政府の試算によると、年収200万円の層においては年間の軽減額が8,500円程度でありますが、年収1,000万円の層では約2万円にもなり2倍以上の負担減になるとしています。(2015年5月22日与党税制協議会資料) しかも、これが一時的ではなく恒久的に続くのです。また、軽減税率制度は一度導入すると廃止が極めて困難になる性質のものなのでやっかいです。
さらに、食料品の区分のあいまいさ、複数税率導入国であるEU諸国での租税係争事例の多さ、複数税率事務の繁雑さなどの非効率性、増税時に食料品業者が便乗値上げに踏み切らない保証はなく、弱者救済は絵に描いた餅になる可能性が極めて高い制度であるといえるのではないでしょうか。
- 平成27年秋
平成27年10月13日
寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ
リョウゼンホウシ
良暹法師
「秋」といえば夜長か夕暮れというのが日本人の感性ではないかと思っています。例えば「枕草子」には、秋は夕暮れの書き出しで有名です。
作者は平安時代の歌人。何千人も僧侶がいたとされる比叡山から、意を決して一人で大原に移り住んで来て修行をはじめたものの、話を交わす友達はおろか誰も見かけない山里での暮らし。外へ出て歩き回ってみても誰もいない。夕暮れがさらなる寂寥感をかもしだすようだ。
さて、マイナンバー(社会保障・税番号制度)の通知カードが10月中旬より各世帯に簡易書留で順次発送され、11月中の発送完了を目指すとされています。
対象者は、10月5日時点で国内に住民票を有している者です。通知カードの発送事務は、全国の市区町村長からの委任を受けた、地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が行います。
送られてきた通知カードには、世帯人数分の通知カード、個人番号交付申請書が同封されており、個人番号の交付を申請する場合には、必要事項を記入し、申請書を世帯分まとめて入れ一括して返送します。
申請後、市区町村より個人番号カード交付通知書が申請者毎に発送されます。その交付通知書と通知カード、身分証明書(免許証等)を各市区町村の役所窓口へ持参し、本人確認を行った上で個人番号カードの交付を受けることが出来ます。
このように、個人番号カード取得までには結構な手間がかかることになり、その結果浸透するのに時間がかかることも考えられますが、このような個人情報にかかることですから、手間がかかろうとも簡易な方法によるべきではないでしょう。
- 平成27年夏
平成27年8月7日
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし 夜半のつきかな
紫 式部
作者は誰もが知る、かのベストセラー「源氏物語」の作者である紫式部。この長編物語は四百字詰め原稿用紙にして、二千四百枚にも達するそうで、しかも、その中に八百近くの和歌が入っていると言われており、さらに、それぞれの登場人物の和歌の力量に合わせて詠んであると言われており、それをだけをとっても恐るべき才能の持ち主であります。
この歌は恋の歌かと思いきや、実は幼なじみたちに詠んだ歌だとされています。夏の頃、以前からの友達にようやく会うことが出来たけど、あまりにつかの間で、夜半に沈む月と競うように帰ってしまったのですねといった感じでしょうか。後半にスピード感があって、あっという間のことだったと言うのがよく出ていますね。
さて、平成27年10月より、住民票を有する全ての人に、1人1つのマイナンバー(個人番号、12桁)が通知されます。その目的は「行政の効率化」、「国民利便性の向上」、「公平・公正な社会の実現」であるとされています。
マイナンバーの通知後、市町村に申請をすると、個人カードが平成28年1月より交付されます。これによって、今後の社会保障、税、災害対策に関する全ての行政手続きについては、このマイナンバーを用いて行うことになりました。したがって、国民は法令で定められた手続きのために、行政機関や民間企業などへのマイナンバーの告知が必要になります。
さらに、このような個人情報については、平成29年1月からマイナポータルというもので、個人情報のやりとりの記録が確認できるようになる予定です。マイナポータルの機能の詳細は、現在検討中です。
- 平成27年春
平成27年2月9日
田子の浦に うち出てみれば 白妙の 富士のたかねに 雪は降りつつ
山辺 赤人
二月四日が暦の上では春ということですが、今年は二月に入って東日本地区には大雪警報が出ており、北海道の羅臼町では大雪で町が孤立してしまったとのこと。季節の先取りはいいとしても、暦の上での春はせめて二月末ぐらいにして欲しいものです。
ということで、今回の歌は立春にもかかわらず雪の歌を用意しました。作者の山部赤人は三十六歌仙の一人であり、柿本人麻呂と並ぶ「万葉集」の時代を代表する歌人と言われています。人麿が抒情歌を得意にしたのに対して、赤人は自然の美しさを詠む叙景歌を得意としたようです。この歌は同じ歌でも「新古今和歌集」バージョンで、オリジナルは次の通り、出典はもちろん「万葉集」です。どちらの歌がお好きですか。
田子の浦ゆ うち出て見れば ま白にそ 富士の高嶺に 雪は降りける
さて、今年も又所得税の確定申告の時期になりました。平成26年分の改正点は以下の通りです。
① 給与所得控除の上限額の段階的な縮減
② ゴルフ会員権等の損益通算の廃止
③ 公的年金等に係る確定申告不要制度の見直し
④ 公益法人等に対する寄附に係る譲渡所得の非課税制度の見直し
⑤ 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例の見直し
⑥ 支払調書等の本店等一括提出制度の創設
⑦ 消費税率の引上げに伴う給付金の非課税制度
このうち給与所得者に一番影響の大きい①を少し説明致します。
給与所得控除は、給与の収入金額が多くなれば控除額も多くなる仕組みでしたが、平成25年分以後の所得税及び平成26年分以後の個人住民税から、収入金額が1,500万円を超えると245万円が上限となりました。給与収入に対する給与所得控除額の割合は以下の通りです。高額給与所得者受難の時代に突入したようです。
給与収入 | 給与所得控除額 | 割合 |
---|---|---|
162.5万円 | 65万円 | 40% |
500万円 | 150万円 | 30% |
1,000万円 | 220万円 | 22% |
1,500万円 | 245万円 | 16.3% |
2,000万円 | 245万円 | 12.25% |
2,500万円 | 245万円 | 9.8% |
- 平成26年冬
平成26年12月8日
ちはやぶる 神代も聞かず竜田川 からくれないに 水くくるとは
(神代の代にさえこんなことは聞いたことがない、川一面に紅葉がちりばめられて、紅の色に染め上げるなどというのは)
在原業平
今年の紅葉の季節も終わろうとしています。この歌の作者は美男の代名詞のようにいわれており、「伊勢物語」の主人公と同一視されているといわれています。高尊の生まれでありながら、反体制的な貴公子としてイメージを作られているようです。
いつの世にもヒーローは存在して根強い人気を誇っていますが、ヒーローの条件のひとつに長生きをしてはならないというのがあります。というのもヒーローを美しいままで終わらせたい、老いぼれた姿を見たくはないというファン特有の心理があって、それ故にあざやかに燃焼して燃え尽きてしまうことを宿命としているのです。しかし、今年の年末に亡くなられた高倉健、菅原文太の二人の俳優は例外でした。死の直前まで元気だったので、突然の死去ということになるのですね。お二人のご冥福を祈りいたします。合掌。
最近ふるさと納税の話題がよく上がります。どこどこの自治体の産物がいいとか、何ヶ所も納税したとか。ここでその制度について整理しておきましょう。
まずふるさと納税と言っても納税をするのではなく、ふるさと(都道府県、市区町村)に寄付をすることです。基本的に寄付そのものはいくらしてもいいことになってはいますが、その寄付が一定金額までは、所得税や個人住民税からその大半が控除されるので、差引の負担がほとんどないという制度です。
2,000円を超える全額が控除される寄付額のボーダーラインは、各人の所得金額や所得控除額によって異なりますが、年収700万円の夫婦で高校生の子供一人の家庭で、44,000円、1,000万円の同様の家庭で85,000円ぐらいになります。具体的な計算は結構面倒なので、大雑把に考えると、支払う住民税の1割が目安と思っていただければいいようです。また、寄付をした翌年には確定申告の必要がありますのでご注意を。
- 平成26年秋
平成26年10月28日
あしびきの山鳥の尾のしだり尾の ながながし夜をひとりかも寝む
柿本人麻呂
今年の夏は予想通り暖冬の後の冷夏となりました。私事ですが、夏は部屋のエアコンをかけずに休むようになって6~7年になります。昨年は暑くて苦労した記憶がありますが、今年は全く問題がありませんでした。このまま暖冬、冷夏が繰り返されると、生活するには快適になる反面、経済や環境問題にとっては相当な影響を及ぼすことになるのでしょう。
柿本人麻呂作のこの歌は、百人一首でも特に有名な歌ではないでしょうか。「秋の夜長」というのは昔から日本人の好む共通概念だったようですね。作者の柿本人麿は、705年ごろに石見の国司として赴任し、そこで亡くなったといわれています。石見の国は現在の島根県益田市にあります。益田市は中世の豪族益田氏の本拠となったところ。山陰の小京都として有名な津和野町に隣接し、史跡や名所が数多く残されています。JR益田駅の西には柿本人麿ゆかりの柿本神社があるそうです。
さて、平成27年1月1日以後に相続又は遺贈により取得する財産にかかる相続税が改正されます。基礎控除のうち定額控除が5,000万円から3,000万円に、法定相続人に対する控除が一人あたり1,000万円から600万円になります。
その結果どうなるかというと、例えば相続財産の評価額が8,000万円である場合、法定相続人が配偶者と子供2人、現行法では相続税の負担がなかったのに、改正法では相続税の総額、つまり相続人の税額合計が350万円にもなってしまいます。
そうなると相続税対策が必要になってきます。しかし如何なる対策にも勝る節税策があります。それは配偶者の長生きです。配偶者が被相続人より一日でも長生きし法定相続分を相続すれば、相続財産の半分は相続税がかからないことになります。こまごまと各種の対策に走らずに配偶者孝行に努めることが究極の節税になるなんて、税法も粋なところがあると思いませんか。
- 平成26年夏
平成26年7月9日
天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも
阿倍仲麻呂
この歌の作者である阿倍仲麻呂という人は非常に優秀な人で、遣唐使に随行して留学生として入唐し、日本人でありながら中国人でも超難関といわれた科挙試験に合格して、玄宗に重用された人物といわれています。
この歌はその彼が長安の天空を仰いで眺めると、今見ている月はむかし奈良の春日にある三笠山に出ていた月と同じ月なんだなぁ、と詠んだ歌とされていますが、現在では中国の光化学スモッグとPM2.5によって、このような歌も詠めなくなっているのかもしれません。
さて、26年度も大きな税制改正が行われました。
まず、消費税関係です。今年の改正とは関係がありませんが、昨年の改正で消費税の税率が平成26年4月より8%に変わったのはご存じだと思います。
したがって、今後消費税の申告を迎えると思われる法人や個人は、8%の期間が何ヶ月かにもよりますが、通常では確定申告での納税額が増加すると思われますので、納税準備資金の確保が必要です。
次に26年度の改正では簡易課税制度のみなし仕入率が変わり、不動産業が5種(50%)から6種(40%)となりました。平成27年4月1日以後に開始する課税期間から適用になります。すぐにではありませんが、来年の事業年度開始前までに、本則課税との比較が必要となるかもしれません。
「自動車重量税」は、エコカー減税を受けた車両が次の車検時の重量税について免除されますが、新車登録から13年を経過したものについては重量税の増加となります。
「自動車取得税」は、平成26年4月1日以後に取得するものについて、平成22年度燃費基準を満たすものは税率が引き下げられました。
「自動車税」は、環境負荷の小さい自動車は軽減へ、大きいものは増額することとなりました。
「軽自動車税」は、平成27年4月1日以後新規取得分から増税になります。例えば、四輪の自家用軽自動車は7,200円から10,800円に、原付の50cc以下は1,000から2,000円に、自動二輪の250cc超は4,000円から6,000円になります。
- 平成26年春
平成26年4月19日
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
持統天皇
夏というにはまだ早いかもしれませんが、和歌の世界ではもう夏。さらに地球温暖化で、この歌ももっと早くに歌われるようになるかもしれません。
さて、今年は13年振りに税理士法が改正されました。今回の改正は12項目あるのですが、税理士という資格者士業の法律改正ですから、新聞報道など世間の話題になることもあまりないでしょう。
それでは、そんな話題にも上らない改正をなぜ行うのかといいますと、一言でいうと税理士制度のよりよい制度設計のためということになります。例えば、わかりやすい項目では税理士の使命、税理士の業務、税理士試験の受験資格や試験科目などについて、細かい項目では税理士登録のための要件、不法行為に対する処分、罰則の内容、さらに税務調査の事前連絡の方法などが定めてあり、時代に即した制度にするためにこれまで何度も改正を重ねてきているのです。そして、これもまた世間では知られていませんが、このような改正のために税理士会では、これまでも常に大きな労力と時間をかけて取り組んできました。
税理士法が成立してから60年が経過して、現在全国で約74,000余名の会員が登録しています。地元の九州北部税理士会は、福岡、佐賀、長崎に事務所を有する税理士が、約3,000名おり、会員はすべてこの法律をよりどころとして業務を行っています。ただし、人格や人間性については未だに規定はありませんので、悪しからず。